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このブログは「秋葉」と「江南」の2人で、IT・ICT系の情報や、社会人ノウハウを発信します。基本的に週一更新で記事は交互に作成しています。

個人も組織も「ナレッジマネジメント」を意識しよう!【よく分かる「SECIモデル」の図付き】

 

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SECIモデル(簡易版)

 

皆さんこんにちは、江南です。

今回は「ナレッジマネジメント」について解説していきたいと思います。

 

ナレッジマネジメントってなにそれ、聞いたことないよ。ていうか、最近〇〇マネジメントって付く言葉多すぎない?カタカナ多すぎて意味ヨクワカラナイヨ。」

 

ごもっとも、です。

私もその気持でした。

ちなみに最初ナレッジマネジメントという単語を聞いた、私の脳内は…

 

なんたらマネジメントという単語が多すぎるよね…。「マネジメント」と付くからには、経営や運営に関わることであったり、何かの管理方法のことなんだろうな。

「ナレッジ」は…なんだろう。なんかよく聞くけど、意味わからへん。

(英語だと「knowledge」、「知識」という意味。ちなみに調べたら中学生レベルの単語だった…)

 

 

まあ、愚痴はこの辺にしておきましょうか。

 

この記事は、「ナレッジマネジメント」って、なに?というところから、始めていきますので、皆さんもぜひ、この問題について考えてみてください。

 

ただ個人的には、難しい内容ではあるけれど、これを意識している組織とそうでない組織では、生産性や競争力、更には個々人の働きやすさに関わるところまで、影響があるのではないかと考えています。

この記事ではその考える際の、コンパス的役割を担えれば幸いです。

ぜひ皆さんと一緒に、考えさせてください。

(どしどしコメント下さい。)

 

 

なお、今回大変多く勉強させていただいた書籍はこちら。

知識創造の方法論野中郁次郎・紺野登 著

知識創造の方法論

知識創造の方法論

 

 

 

ナレッジマネジメントとは

 

まずは、Wikipediaの引用から。

 

ナレッジマネジメント英語: knowledge management)とは、企業経営における管理領域のひとつ。生産管理販売管理マーケティング)、財務管理人的資源管理情報管理に続く第6の管理領域。個人のもつ暗黙知形式知に変換することにより、知識の共有化、明確化を図り、作業の効率化や新発見を容易にしようとする企業マネジメント上の手法。組織によって創造される知識は集合知と呼ばれ、そのマネジメント手法に注目が集まっている。

Wikipediaより引用)

 

 

第6の管理領域、個人のもつ暗黙知を形式地、知識の共有化、組織によって創造される集合知のマネジメント方法…

 

まあ、待ってください。

いきなり言われてもって感じですよね。

順を追って解説していきます。

 

 

◯そもそも知識とはどういった形か(暗黙知形式知

 

私達は常日頃から、経験や学習を通して、知識やノウハウを蓄えています。

それは、仕事や勉強の成果に直結するものもあれば、もちろんあまり役に立たないと思われるような知識まで様々です。(ただ、逆にそういった知識のほうが面白い場合がありますよね)

 

そうして得た知識の中でも、他人に共有しやすい(言葉にしやすい)ものと、なんか良く分からないけどわかってる(言葉にしにくい)知識と分かれると思います。

 

暗黙知は、知っていても言葉に変換できない経験的、身体的なアナログの知です。言葉や文章で表すことが難しい、思い(信念)、視点、熟練、ノウハウなどです。

そして形式知は、その暗黙知を言葉や体系にした、デジタルで共有可能な知です。

(『知識創造の方法論』P55より)

 

 

暗黙知の例としては、いわゆる「匠の技」や「センス」など、人に伝える(共有する)ことが難しいとされるものです。

最近NHKで、一瞬で四葉のクローバーを見つける女性の映像を見ましたが、まさにあれは暗黙知でしょうね。(その女性は「赤いリンゴの中に赤いイチゴが入っていてもわかるでしょう、同じことです。」ということを言っていましたが、私達からすれば「ああ、そういうことか!」とはならないですよね。)

 

形式知暗黙知とは違い、共有可能な知ということになります。私達がなにかを読み・聴き・学習する多くが形式知化されているものだと思います。

今、私がしていることも「ナレッジマネジメントの活用の仕方」を形式知にしようとする試みです。

 

 

◯組織の知識とは

 

組織という枠組みで考えてみましょう。

私達は、仕事や行事、スポーツでもある一定の集団や組織で活動する場面があると思います。

そのときに、その組織の中にある知識(ナレッジ)を使うことにより、私達はスムーズに何かを習得したり、結果を出すことができるのです。

 

具体的に言えば、会社独自の営業マニュアルだとか、過年度のスケジュールデータとかヒヤリハット録だとかです。

スポーツでいうなら、独自の練習方法とかもあるかもしれません。

 

組織には、その組織が継続してきた年月の「知識」が積み重なっているように私達は考えてしまいます。

しかし、逆にこういったこともありませんか?

 

Aさんが突然退職することとなった。Aさんが居なくなり、「Aさんしか知らない」作業のやり方が分からず、てんやわんやになった。

いつも行事を仕切ってくれているBさんが今年は出席できないということになった。どのように行事を進めればいいか分からなくなってしまった。

 

そうです。確かに、なにもしなくても組織に知識は少しずつ蓄積されていくでしょう。

しかし、不意の出来事で、その知識の蓄積にぽっかりと穴が空いてしまうこともあります。

まさに上記の例のような、暗黙知を持っている人が居なくなることによる、知識の欠落です。

 

組織は、人が集まってできていますが、組織の知識も、人それぞれが持っているものが積み重なってできているのです。

 

 

ナレッジマネジメントとは知識創造のサイクル

 

ナレッジマネジメントとは、その組織に属する人それぞれが持っている知識を、蓄積させていき、その知識の蓄積を使い、また新しい知識を作っていくことなのです。

 

前述した、個々人がもつ「暗黙知」を、組織に属する人々に共有可能な「形式知」に変え、その「形式知」を使い、その中でまた新たな「暗黙知」を獲得する…。

 

例えて言うならこんな感じです。

おばあちゃんから美味しい漬物の作り方を教えてもらい、実際に自分で漬物を作ってみる。作ってみた漬物が美味しかったから、お隣さんに美味しい漬物の作り方を教えてあげる。お隣さんが、その漬物の作り方を異なる料理に応用する…。

 

ナレッジマネジメントは、効率的に知識を蓄積し、その蓄積させた資源(知識)を活用し生産性を上げ、その生産性が上がっている中でまた新しい知識を得るということが目的となります。

 

 

 

SECIモデルとは

 

ここまでで、皆さんはナレッジマネジメントが一体どういったものなのか、お分かりいただけたかと思います。

 

しかし、どのように暗黙知形式知に変え、形式知を活用して新たな暗黙知を得ていくのでしょうか。

 

この一連のサイクルをフレームワーク化したのが、SECI(セキ)モデルと呼ばれるものです。

 

 

SECIモデルとは、野中郁次郎教授(一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授)が提唱した、知識創造活動に注目した、ナレッジ・マネジメントの枠組み。個人が持つ暗黙的な知識(暗黙知)は、「共同化」(Socialization)、「表出化」(Externalization)、「連結化」(Combination)、「内面化」(Internalization)という4つの変換プロセスを経ることで、集団や組織の共有の知識(形式知)となると考える。

 

「共同化」とは、経験の共有によって、人から人へと暗黙知を移転することである。「表出化」は、暗黙知を言葉に表現して参加メンバーで共有化することである。「連結化」は、言葉に置き換えられた知を組み合わせたり再配置したりして、新しい知を創造することである。そして「内面化」は、表出化された知や連結化した知を、自らのノウハウあるいはスキルとして体得することである。

 

ナレッジ・マネジメントでは、SECIのプロセスを管理すると同時に、このプロセスが行われる「場」を創造することが重要である。

グロービスMBA用語集から:

https://mba.globis.ac.jp/about_mba/glossary/detail-11667.html

 

 

SECIモデルと検索すると四角と円を駆使した、ムズカシイ図が出てくると思いますが、ここでは、その図を簡易的に筆者がしたものを載せておきます。

以下の4つを行う(はじめは意識するところからでいいと思います)ことで、知識の「創造」→「共有」→「「活用と蓄積」→「創造」というサイクルを作り上げる、というのがSECIモデルということです。

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筆者が作成

 

 〈4つの要素〉

  • 内面化:組織の知識(形式知)を使っていくうちに、新たな「知識―ノウハウ・独自の効率化・アイデア等」(暗黙知)を発見する。
  • 共同化:新たに発見した「知識」(暗黙知)を、身体や五感を駆使して、教えることで、個人間の暗黙知の共同化を行う。
  • 表出化:個人間で共同化した知識はやがて、そのチームやグループで概念化や図表・マニュアル化され、その集団での形式知となる。
  • 連結化:集団で形式知化した知識は、組織の各部門で使用されることにより、組織全体の形式知となる

 

 

流れは決まっていますが、どれからがスタートである、というわけではないのです。

どこからスタートしてもいい、もっと言ってしまえば、意識していなかったにせよ、この流れの中に皆さんもいるのです。

ただし、意識しているのか、いないのか、の違いは大きな違いを生むということです。(せっかくの機会を逃してしまう可能性があります)

 

 

「場」の重要性

 

SECIモデルでは上の図にあるように、「共同化」表出化」「連結化」「内面化」という4つの知識の変換プロセスを掲げていますが、それに並んで重要と言っているのが、4つのプロセスを行う「場」の創出です。

 

つまり「共同化」「表出化」「連結化」「内面化」を意識的に行う「場」を作ることこそ、ナレッジマネジメントを行う上で重要となってくるのです。

これは、組織でも個人でも同様です。

 

例えばブログも、ナレッジマネジメントの「場」と定義することができます。

筆者が獲得した知識をアウトプットする場となっていると同時に、他の方のブログ記事で勉強させてもらい、知識を得ることもあります。(そしてその知識を自分のものにしたとき、新たな知識を思いつくこともあります)

 

これから、ナレッジマネジメントを取り入れていきたい、と考えている方は、自分が(もしくは自分のいる組織が)「共同化」「表出化」「連結化」「内面化」を行うためには、どのような場を有るのかや作る必要があるかを考えてみて下さい。

 

 

終わりに

いかがでしたでしょうか。

最初にも述べましたが、ナレッジマネジメントは、意識しているとそうでないとでは、知識の創造のスピードが段違いだと思います。

ぜひ皆さんも、ナレッジマネジメントを意識して見て下さい。

また、組織での運用も良いと思います。

もうすでにこんなことを実践している、という方がいましたら、コメントで言える範囲でいいのでどんなことをしているのか教えて下さいね!